分析透過電子顕微鏡(FE-TEM/STEM/EDS)
分析透過電子顕微鏡(FE-TEM/STEM/EDS)は、多次元に渡る高速組成分析に特化した走査・透過型電子顕微鏡(S/TEM)システムです。最先端のEDS と高いSTEM、TEM 分解能を備えており、ナノ領域での様々な研究・解析に最適です。
装置
分析透過電子顕微鏡(FE-TEM/STEM/EDS)
特徴
・高輝度ショットキーサーマル電界放射銃(X-FEG)
小さな収束角と高い全ビーム電流が両立されており、電流値は通常のショットキー型電子銃と比較し5 倍に達します。これにより、高いS/N 比と像分解能が観察・元素分析にもたらされています。
・Super-X 元素分析システム
4 個のシリコンドリフト型検出器(SDD)がX 型に配置されたエネルギー分散型X 線分析装置(EDS)です。4 個で実効的な素子面積を増やすことで十分なX 線感度とスペクトルの高品質化が実現します。また、X 型の配置により、試料が傾斜した状態でもX 線感度が低下しにくい機構となっています。
・三次元トモグラフィーシステム
TEM/STEM/EDS による二次元の観察・分析だけでなく、試料を断続的に傾斜させて得られる連続傾斜像及びその情報を元に画像を三次元的に再構築する機能です。二次元から三次元に進化した解析により、新たな物性、界面機能の可視化が実現できます。
メーカー
Thermo Scientific
型式
Talos F200X
仕様
加速電圧 | 200kV(標準)、120kV、80kV |
分解能 | TEM 0.12nm(200kV) STEM 0.16nm(200kV) |
プローブ電流 | 1.5nm@1nm |
TEMボトムマウントカメラ | 4,096×4,096 CMOS |
STEM検出器 | BF,DF,HAADF(同時取得可) |
EDS検出器 | X型配置4SDD |
分析対象元素 | B~U |
用途
・マクロからナノレベルの観察、元素分析
・電子線回折を用いた結晶情報取得
・電子線耐性が低いソフトマテリアルへの対応
・トモグラフィーシステムを用いた観察画像、元素マッピング画像の三次元化
応用例
・ナノ微粒子の形態観察
・樹脂と金属の複合材料のマクロ観察
・多層薄膜の断面観察、元素分析
・担持触媒粒子の三次元観察、元素分析