マイクロフォーカスX線検査装置(μF‐X線)
X線透過観察をおこなうことにより、部品等の内部を非破壊で観察することができます。
物質によるX線の透過率の差を利用して部品や材料内部を観察する装置で、空港の手荷物検査や医療用レントゲンと同じ原理です。
マイクロフォーカスX線検査装置はその名前の通り最小焦点寸法が1μmと非常に小さいため、通常のX線透過観察装置より高倍率で非破壊観察することが可能で、主として電子部品の解析に使用されます。
装置
マイクロフォーカスX線検査装置(μF‐X線)
メーカー
メディエックステック社
型式
MXT-160UU
仕様
最大試料寸法 | 300mm×250mm |
管電圧 | 40~140kV |
焦点寸法 | 1μm以下 |
ステージ可動範囲 | X方向 300mm, Y方向 250mm, Z方向 250mm |
用途
・パッケージ内部の部品配置観察、亀裂や欠陥の調査
・実装基板のBGA製品検査
・動作不良製品、部品の非破壊内部観察
応用例
・パッケージ内部の部品配置観察、亀裂や欠陥の調査
・実装基板のBGA製品検査
・動作不良製品、部品の非破壊内部観察
分析事例(クリックで各分析事例に移動します)
X線透過観察事例 (マイクロフォーカスX線検査装置(μF‐X線) メディエックステック社 MXT-160UU)
X線透過観察事例 (マイクロフォーカスX線検査装置(μF‐X線) メディエックステック社 MXT-160UU)
観察例1 PCのCPU
通常のICはリードフレームと呼ばれる端子で接続されますが、CPUは端子では数が足りないためデバイス背面に並べられたボール状のはんだにより電極と接合されます。
この接合方式ははんだの形状からBGA(Ball grid array)といわれます。
この試料は不良品ではないので特に問題はありませんが、接合不良の場合ははんだが変形していたり、隣同士がくっついたりした様子が確認できます。
観察例2 IC内部の非破壊観察
リードフレームから伸びているAuワイヤが確認できます。
実際は中央にシリコンチップが搭載されているのですが、シリコンは軽元素なのでX線が透過してしまい、存在するはずのシリコンチップが見えずにAuワイヤが宙に浮いているように見えます。
観察例3 ロッカスイッチの接触状態観察
観察例4 断線しかかっている配線の非破壊検査