硬さ試験機

 鉄鋼材料や非鉄材料などの硬さを測定することができます。

 長さ、時間、電流などのような物理量ではなく、引張強さや曲げ強さなどの機械特性と同様に工業量または比較値で表されます。
材料の硬さは材料の強さを示す重要な性質であり、引張試験とともに広く用いられます。鉄鋼系材料であれば硬さ値から引張強さをある程度推測できます。
 金属材料の硬さ試験機はショア、ブリネル、ロックウェル、ビッカース、ヌープなどがJISに規定され、目的に合わせて硬さ試験機を使い分け測定を行います。

金属材料の硬さ試験機

機器名記号メーカー型式試験力(kN)試験力(gf,kgf)
ブリネルHB今井試験機今井試験機油圧式4.903~29.42kN500~3000kgf
ロックウェルHRミツトヨHR-523588.4, 980.7, 1417N60, 100, 150kgf
ビッカースHV明石製作所AVK-D69.807~490.3N1~50kgf
微小硬度計HV松沢精機DMH-20.09807~9.807N10gf~1kgf

分析事例(クリックで各分析事例に移動します)

円筒内面のロックウェル硬さ試験

◆ロックウェル硬さ試験機
 株式会社ミツトヨ HR-523

 川崎技術支援部に設置のロックウェル硬さ試験機はノーズタイプであるため、例えば凹面の溝や写真に示すように円筒内面など試料を切断せずに試験することが可能です。

◆円筒内面(Φ50mm)のロックウェル硬さ試験条件

圧子円すい形ダイヤモンド
スケールHRC
試験結果21HRC
ロックウェル硬さ試験機

窒化膜断面のマイクロビッカース硬さ試験

◆マイクロビッカース硬さ試験機
 松沢精機株式会社 DMH-2

◆試料作製
 ガス軟窒化および塩浴軟窒化した機械部品を所定の箇所で切断加工し、エポキシ樹脂で埋め込みを行います。次にラッピング、ポリシングの研磨加工を行い鏡面まで仕上げます。

◆マイクロビッカース硬さ試験条件

試験力0.09807N
試験力の保持時間10s
a)ガス軟窒化
a)ガス軟窒化
b)塩浴軟窒化
b)塩浴軟窒化