2024年4月11日
波長掃引型光コヒーレンストモグラフィー(SS-OCT)
概要
光の干渉効果を利用して物質内部の構造を非破壊で観察する装置で、英名であるOptical Coherence Tomographyの頭文字をとってOCTと呼ばれています。干渉信号の検出方法や光源などに違いで複数種類があります。
OCTは、光源(参照光)と同じ位相と波長をもつ試料からの反射光(後方散乱光)のみを信号として検出し、深さ方向の位置や反射光強度を測定することを基本原理とします。これを一次元の深さ方向スキャン(A-scan)を水平方向に繰り返す(B-scan)ことにより、物質内にある異物や空隙などを画像情報として取得することができます。超音波測定と類似点がありますが、測定深度が浅くなる代わりに高い分解能(ミクロンオーダー)が得られます。
波長掃引型OCT(Swept-Source OCT: SS-OCT)は、干渉信号をフーリエ変換して深さ情報を取得するフーリエドメインOCTの1つです。波長可変光源を採用するSS-OCTでは分光器での光検出の必要がなく、さらに波長を変化させる掃引周波数が数十kHzと高いため、毎秒数万回の深さ方向スキャンができます。
一般的なSS-OCTよりも長波長の光源を採用しているので、セラミックスのように散乱源を多く含む不透明材料の内部も観察できます(金属や炭素材料など、1700 nmの光を吸収する物質は観察できません)。さらに、プローブはケーブル長の範囲で自由に取り回しができ、装置全体はラックに積載して移動できるので、様々な製造装置や評価装置と組合わせることが可能です。
機器情報
メーカー名 | サンテック株式会社 |
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型番 | IVS-4000 |
導入年度 | 2019 |