2021年2月3日
電子線描画装置 (電子ビーム描画装置/EB描画装置/EB露光装置)
概要
本装置は、電子線に感光する樹脂薄膜にナノメートルからマイクロメートルのパターンを描画する装置です。主に、基板に直接描画することによる少量多品種の試作品の開発や半導体チップの原盤となるマスクの作製に用いられます。
【用途・特徴】
航空機や自動車に搭載される加速度センサやジャイロセンサ等の小型化、軽量化に活用できます。
カメラレンズなどのハレーション防止や太陽電池の発電効率の向上等で要求される100nm以下のパターンを持つ光学素子等の開発に活用できます。
当研究所で蓄積してきた微細加工技術に加え、本装置を活用することにより、研究開発型企業の航空宇宙産業をはじめとする新たな技術開発への参入を支援します。
( ナノメートル(nm)は1/1,000,000 mm。マイクロメートル(µm)は1/1,000 mm。)
電子線に反応する物質(電子線レジストパターン)に、細く絞った電子線を筆のように扱って任意のパターンを描くことを電子線リソグラフィー技術といいます。電子線リソグラフィー技術を用いて、本装置はミクロンサイズからナノサイズの電子線レジストパターンを形成できます。更に,専用の帯電防止剤(エスペイサー)を塗布することで、絶縁基板上に電子線レジストパターンを形成できます。
ミクロンサイズでは、フォトリソグラフィ用マスクの作製ができます。また、ナノサイズでは、1mm角と広い描画フィールドにおいて200nm周期のレジストパターンを高速に描画できます。応用例として、ナノパターンを用いたSAWデバイス、無反射構造体などが挙げられます。
機器情報
メーカー名 | 株式会社エリオニクス |
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型番 | ELS-S50 |
仕様 | ウエハー Φ3、Φ4インチ に対応 小片サンプル 10mm角、20mm角、 25mm角 に対応 クロムマスク 4、5インチ角 に対応 ただし、最大描画領域は90×62mm 最小描画線幅10nm つなぎ精度100nm 最大加速電圧 50KV ※専用の帯電防止剤(エスペイサー)を使用することにより絶縁体基板上への直接描画も可能 |
導入年度 | 2013 |
ご利用方法
依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)、委託受託(KISTEC事業名:技術開発受託)で利用できます。