2023年5月12日
ICP発光分光分析法による有害元素分析
有害元素の分析方法
鉛 (Pb) やカドミウム (Cd)、水銀 (Hg) をはじめとする有害元素(有害金属)は環境汚染等により健康に重大な被害を与える要因です。また、EU等の諸外国では WEEE 指令や RoHS 指令等で有害元素が規制されており、有害元素の分析の必要性が高まっています。KISTEC では有害元素の分析を化学分析(湿式分析)や ICP 発光分光分析法 、蛍光 X 線分析等の機器分析を用いて対応しております。
分析事例
- 鉛フリーはんだ中の鉛 (Pb)
(酸分解 / ICP 発光分光分析法) - 快削黄銅中のカドミウム (Cd)
(酸分解 / ICP 発光分光分析法) - ネジの六価クロム (Cr6+) 溶出試験
(熱水抽出 / ジフェニルカルバジド吸光光度法) - 金属材料中の水銀 (Hg)
(酸分解 / 原子吸光分析法) - 電子基板のスクリーニング測定
(蛍光 X 線分析法)
ICP-OES による多元素同時分析
ICP 発光分光分析装置 (ICP-OES) (日立ハイテクサイエンス製、図1、2)を主に使用して、鉛 (Pb)・カドミウム (Cd) などの有害無機元素の分析を実施しています。
ICP-OES は、アルゴンプラズマ(炎状)に溶液試料を導入し、元素から発光される元素特有の光の発光強度を測定することで、試料中の元素濃度を分析する装置です。溶液中の元素を測定することができます。固体試料の場合、酸分解などの前処理(溶液化)をした上で測定します。
ICP-OES による測定例
マルチ型 ICP-OES では、多元素を幅広い濃度域にわたって一斉測定が可能です。KISTEC の マルチ型 ICP-OES (SPECTRO, ARCOS) は各元素の発光線の分光にパッシェンルンゲ分光器を用います。分光した波長が結像するローランド円上に CCD を敷き詰めることで全波長波長領域(130 nm ~ 770 nm)を同時に測定することが可能となっています。
混合標準液(各元素濃度 0.1 mg/L)の測定結果を図 3 に示しました。各グラフの横軸に波長(Wavelength / nm)、縦軸に発光強度を表しました。鉛 (Pb) や カドミウム (Cd) 、クロム (Cr)、アルミニウム (Al) 、カルシウム (Ca) などを同時に測定しました。
謝辞)ICP-OES は、公益財団法人 JKA による平成 31 年度公設工業試験研究所等における機械設備拡充補助を受けて導入しました。
ご利用を希望される方へ
このページのご紹介内容は、試験計測(依頼試験)、技術開発受託(受託研究)でご利用いただけます。
使用機器
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
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E1891 | ICP発光分光分析法による定量分析(A) (容易なもの) | 1試料,1成分につき(容易なもの) | 9,130 |
E1911 | ICP発光分光分析法による定性分析 | 1試料につき,基本10元素まで | 20,790 |
E1892 | ICP発光分光分析法による定量分析(B) (複雑なもの) | 1試料,1成分につき(複雑なもの) | 13,640 |
E1921 | ICP発光分光分析法による定性分析 1元素増 | 1試料につき,1元素増すごとに | 1,980 |