2024年1月26日
蛍光X線分析法による電子基板(はんだ)の分析
鉛フリーはんだ / 鉛含有はんだ の分析
電子基板にはスズ (Sn) - 鉛 (Pb) 合金であるはんだ(鉛含有はんだ)を使用していましたが、WEEE 指令や RoHS 指令等で有害元素が規制されたことにより、Pb を用いない Sn - 銀 (Ag) - 銅 (Cu) 合金を用いたはんだ等(鉛フリーはんだ)が用いられるようになりました。
KISTEC では鉛フリーはんだと鉛含有はんだの分析を蛍光 X 線分析(定性分析:元素の確認)や ICP 発光分光分析(定量分析:鉛の含有量の確認)にて行っております。
相談事例
- 鉛フリーはんだか鉛含有はんだかを確認したい
- 昔の製品ではんだの種類が分からない
- 取引先から鉛含有はんだではないかと指摘された
- 蛍光 X 線分析でマッピング分析を行いたい
- 蛍光 X 線分析で鉛 (Pb) を検出した(と言われた)
- 鉛フリーはんだの鉛 (Pb) の量を管理したい
蛍光 X 線分析(XRF)によるはんだの分析事例
鉛の有無の簡易的な分析
蛍光X線分析装置は試料にX線を照射して発生する蛍光X線のエネルギーによって元素分析(定性分析)を行う装置です。下に電子基板上のはんだについて、蛍光 X 線分析装置による定性分析を行った結果を示します(図 1, 2)。
図 1 に示した電子基板 1 では鉛 (Pb) が検出されたことから、この電子基板で使用されているのは鉛含有はんだであることが推測されます。一方で図 2 に示した電子基板 2 では Pb が検出されず、代わりに銀 (Ag) が検出されたことから Sn-Ag 系等の鉛フリーはんだであることが推測されます。
各元素の含有量やはんだの種類を特定する場合には、別途 ICP 発光分光分析 (ICP-OES) 等で定量分析を行う必要があります。
元素のマッピング分析
KISTEC の蛍光 X 線分析装置(株式会社堀場製作所、XGT-5000WR (SDD 検出器に換装;XGT-5200 相当))では点分析だけでなく、面分析(マッピング)も可能です(図 3)。
図 3 は電子基板をマッピング(※鉛 (Pb) と スズ (Sn) のみ抽出。他元素は非表示)したものです。鉛 (Pb:赤) とスズ (Sn:緑) が検出された、合成像における黄色の部分は鉛 (Pb) とスズ (Sn) が検出されたため、鉛含有はんだが使われていると推測されます。
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
---|---|---|---|
E1841 | 蛍光X線法(XRF)による微小部定性分析 | 1試料,1ヶ所につき | 9,570 |
E1842 | 蛍光X線法(XRF)による微小部定性分析 1条件増 | 1条件増すごとに | 3,520 |
E1982 | X線光電子分光分析 (走査型・XPS・ワイドおよびナロースキャン) |
1試料1ヶ所につき(6元素まで) | 23,540 |
ご利用方法
依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)、委託受託(KISTEC事業名:技術開発受託)で利用できます。