フーリエ変換顕微赤外分光分析(顕微FT-IR)を用いた食品用包装フィルムの層構造の分析

化学技術部
海老名
  • 有機物定性分析
  • 高分子材料
  • #組成分析

 顕微FT-IRは最小 10 μm 程度の微小異物の同定に非常に有効な手法ですが、マッピング機能を利用して、ケミカルイメージングの作成も可能です。
 食品用包装フィルムについて、スライサーを用いて断面方向から薄片を切り出し、薄片を2枚の臭化カリウム板の間に挟み込んだ状態でプレスした後、フィルム各層の定性と層構成を分析しました。
 フィルム断面からの光学像からこのフィルムは少なくとも5つの層から構成されており、フィルムの内側からエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレンであることがわかりました。

図 多層フィルムの測定結果
図 多層フィルムの測定結果

 食品用の包装パッケージはガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性、ヒートシール性など内容物に応じて様々な機能が必要となるため、多層構造であることが一般的です。顕微FT-IRを用いることで、フィルムの組成ならびに各層の分布状態を確認することができました。

使用機器

フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

料金

NO. 項目 単位 料金
E2021 フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR) 1スペクトルにつき 20,350
※E2021はポイント測定の料金となります。今回の事例のようなケミカルイメージングを行う場合、測定時間や測定条件により費用が変わりますので詳細は担当職員にご相談ください。

ご利用方法

依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)、委託受託(KISTEC事業名:技術開発受託)で利用できます。