2024年5月8日
固体高分子形燃料電池(PEFC)の作製と評価
燃料電池は燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するデバイスです.水素と空気中の酸素の反応を利用することで,高いエネルギー密度と高いエネルギー変換効率が得られることから,再生可能エネルギーとしての水素の利用方法の一つとして利用・普及が始まっています.
経済産業省およびNEDOは燃料電池の大幅な利用拡大に向けた開発目標として,固体高分子形燃料電池(PEFC)の技術開発ロードマップを設定しており,その達成のための性能項目とその評価手法としてPEFCセル評価解析プロトコル*を策定・公開しています.(*https://www.nedo.go.jp/library/PEFC_CELL_Protocol.html)
PEFCセル評価解析プロトコルでは,燃料電池構成部材の標準材料および作製条件が示されています.KISTECではそれに準じた燃料電池の膜電極接合体(MEA)を作製しました(図1).作製したMEAをプロトコルの標準セルと同等の評価セル(図2)に組み込み,燃料電池評価装置(図3)で電流・電圧特性を測定しました(図4).ガス流量および加湿条件,セル温度についてもプロトコルに標準条件が示されており,同条件で評価を行いました.
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図4の電流電圧特性の結果から,電流密度1.0 A/cm2において0.6 Vのセル電圧を示しており,PEFCとして標準的な出力特性が得られていることがわかります.また,iRの傾きから電解質膜のイオン伝導性を把握することができます.
ご利用を希望される方へ
このページのご紹介内容は、依頼試験、委託開発でご利用いただけます。
使用機器
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
---|---|---|---|
E3241 | 燃料電池の発電試験 | 1時間当たり | 8,470 |
E3255 | 燃料電池の電極作製(スプレー塗工) | 1時間当たり | 4,730 |
ご利用方法
依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)、委託受託(KISTEC事業名:技術開発受託)で利用できます。