2023年5月12日
マルチポート・ベクトル・ネットワーク・アナライザによるツイスト・ペア・ケーブル(USB3.0)の伝送特性評価
なぜマルチポート・ベクトル・ネットワーク・アナライザを用いるのか?
USBやイーサネットのケーブルはツイスト・ペアによる差動伝送で外来ノイズの影響を受けずに、大容量のデータ伝送が可能です。USB3.0においては2本のケーブルで5Gbps、ギガビット・イーサネットにおいては多値化した信号を4本のケーブルで伝送してしています。このように複数ケーブルの伝送特性を評価する場合は、減衰量や特性インピーダンスだけでなくクロストーク測定が重要となり、複数の入出力ポートを有したベクトル・ネットワーク・アナライザ(図1)が必要となります。
【特徴・用途】
4ポートのベクトル・ネットワーク・アナライザをスイッチ・マトリクスで18ポートに拡張することで、最大4本のツイスト・ペア・ケーブルの伝送特性評価(減衰量、リターンロス、差動インピーダンス、クロストークなど)が行えます。さらに、信号処理により、アイパターン解析(通常、PAM4など)などのシミュレーションが可能です。
【装置名・型番】
4ポート・ベクトル・ネットワーク・アナライザ:ローデ・シュワルツ:ZNB8
スイッチ・マトリクス:ローデ・シュワルツ:ZN-Z84-B34
USB3.0用測定治具:Keysight:USB3.0テストフィクスチャ
イーサネット用測定治具:Wilder Technologies:Ethernet 10GBASE-T RJ-45 テストアダプタ
【仕様】
周波数 4ポート 9kHz~8.5GHz、18ポート 10MHz~8.5GHz
接続コネクタ SMA(変換アダプタでN型、BNCも可)
アイパターン解析 通常(2値)、PAM4(4値)、PAM8(8値)、PAM16(16値)
マルチポート・ベクトル・ネットワーク・アナライザによるツイスト・ペア・ケーブル(USB3.0)の伝送特性評価
①USB3.0用ケーブルと測定治具
USB3.0用ケーブルのコネクタ(タイプA、タイプB)をSMAコネクタに変換する測定治具を用いて接続します(図2)。
②伝送特性評価
各ツイスト・ペア・ケーブルの減衰量、特性インピーダンス、アイパターン(シミュレーション)など多彩な測定が可能です(図3)。
③クロストーク測定
隣接する配線において信号送信部である加害者の近傍で生じる近端クロストーク(NEXT)と受信端近傍で生じる遠端クロストーク(FEXT)の同時測定(12ポートを使用)が可能です(図4)。
関連リンク
使用機器
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
---|---|---|---|
E0780 | ネットワークアナライザ測定(マルチポート) | 1測定につき | 11,440 |
E0791 | ネットワークアナライザ測定(4ポートまで) | 1試料1条件につき | 7,700 |
E0792 | ネットワークアナライザ測定(4ポートまで) 1件増 | 1条件増すごとに | 2,970 |
ご利用方法
依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)で利用できます。
今回のマルチポート・ベクトル・ネットワーク・アナライザによるツイスト・ペア・ケーブル(USB3.0)の伝送特性評価の事例については、
信号伝送ケーブル製造業者の方や接続ケーブルによるトラブルでお困りの方におすすめです。
信号ケーブルの伝送特性を評価することで、ケーブルの性能確認やトラブル原因の解決につながります。
【PRポイント】
16ポートによる同時測定が可能ですので、測定時間の短縮が図れます。
測定周波数レンジが9kHzから8.5GHzと広いので、多様な用途に利用できます。