2023年5月12日
レーザー顕微鏡によるラインパターンの線幅測定
レーザー顕微鏡とは?
レーザー顕微鏡はコンフォーカル光学系を利用して高精細画像の取得や電子部品をはじめとした微小な構造をもつ試料の表面の三次元形状を非接触で測定することが可能な装置です。
得られた3次元形状から幅や高度差、表面粗さ(2D粗さ、3D粗さ)などの計測が行え、接触式の形状測定装置と比べると計測が高速という特徴があります。
2017年度に導入したハイブリッドレーザー顕微鏡(Lasertec社製、OPTELICS HYBRID)を図1に示します。
本装置ではコンフォーカル観察に加え、反射分光膜厚測定機能や白色干渉形状測定機能があり、通常のレーザー顕微鏡では評価が難しい1μm以下の膜厚の透明膜の膜厚分布やmmレベルの視野で高さ方向にナノメートルレベルでの形状測定を行うことも可能です。
また、微分干渉観察機能により、微分干渉像の取得が可能であり、試料の表面の微細な凹凸を強調した画像を得ることができます。

レーザー顕微鏡によるラインパターンの線幅測定

観察事例として、半導体微細加工で用いられるSi基板上のAl線パターンの評価事例を紹介します。
半導体微細加工では、フォトリソグラフィで薄膜のパターン形成が行われますが、実験条件の変動などにより幅などの寸法のずれが生じることがありますので、設計通りのパターンであるかを確認が行われます。
図2はアルミニウム膜のハーフピッチ5μmのラインパターンの白色コンフォーカル像であり、アルミニウム膜の線パターンの幅が5.20μmとなりました。1:1パターンと比べて幅のずれは0.20μmであり、比較的小さい値であることが確認できます。

この白色コンフォーカル像の取得時に得られた三次元表面形状データは図3に示すようになり、膜厚が0.16μmのアルミニウム線パターンの段差をとらえた表面形状が確認できます。
使用機器
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
---|---|---|---|
E1145 | ハイブリッドレーザー顕微鏡観察 | 1測定1解析につき | 8,690 |
E1146 | ハイブリッドレーザー顕微鏡観察 1視野追加 | 1視野追加につき | 4,290 |
E6965 | ハイブリッドレーザー顕微鏡 データ解析 | レーザーテック OPTELICS HYBRID | 880円 |
ご利用方法
依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)、機器使用で利用できます。