2023年5月30日
スポット溶接による溶接部の評価技術
スポット溶接とは?
スポット溶接は、自動車部品及び車体の組立て工程を主に航空機部品、鉄道車両車体の組立て、テレビ・冷蔵庫・エアコンなどの家電製品、流し台・石油ストーブ・消火器などの家庭用品等、多くの産業分野で利用されています。溶接原理は、複数枚の部材を上下から銅製の電極で挟み、加圧しながら1~2万アンペア程度の電流を短時間流すことで、部材間のみを溶融凝固させ一体化させるものです。
しかし、溶接後の外観から溶け込み状況や強度等の特性が確認できない特殊工程に分類され、JISにおいてスポット溶接継手の各種試験方法が規定されております。
ここでは、KISTECで対応可能な試験方法について紹介いたします。
断面試験(JIS Z3139)
図1に示す単相交流式溶接機を用い、板厚1.2mmの熱間圧延軟鋼板(SPHC)に対して溶接を行いその断面試験を行いました。
(a)には光学顕微鏡による金属組織写真を、(b)には硬さ分布をそれぞれ示します。
また、スポット溶接用の熱弾塑性シミュレーション・Quick Spot(㈱計算力学研究センター)による温度分布を(c)に示します。
せん断試験(JIS Z3136)とねじり試験(JIS Z3144)
電流値、通電時間及び電極加圧力をそれぞれ変化させ合計48条件の試験体を作製し、せん断強度とねじり試験で計測したナゲット径の関係を示します。
JISに準じたスポット溶接継手の評価試験および熱弾塑性シミュレーションを用いたナゲット径予測について紹介しました。
スポット溶接における評価やトラブル対策など、総合的な試験・評価が対応可能です。
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
---|---|---|---|
E0180 | 硬さ試験 | 1点につき | 1,100 |
E0031 | 金属組織写真撮影 | 写真1枚につき | 11,110 |
E0130 | 引張・圧縮・曲げ試験(3) (標準的な試験) | 1試験につき | 5,500 |