窒素ガス吸着法による酸化ケイ素粒子の比表面積測定

機械・材料技術部
海老名
  • 粉体・表面性能
  • 多孔質材
  • 粒・粉体
  • #光触媒
  • #ゼオライト
  • #グラフェン

窒素ガス吸着法とは?

電池、センサー、インク、触媒、光触媒、顔料、薬品、化粧品等の性能を向上する上で、これらに用いられる微粒子や多孔質材料の比表面積や細孔分布を測定することは重要です。
このようなニーズに応えるために、海老名本部では、2020年に比表面積・細孔分布測定装置(図1;BELSORP-maxII, マイクロトラックベル(株)製)を導入し、依頼試験を受け付けております。

真空加熱により試料に含まれる水分等を除去した後に、圧力を変えながら試料に窒素ガスを吸着させ、その量を測定することによって比表面積を求めます(定容量法)。測定した相対圧とガス吸着量の等温線から、マイクロ孔(2 nm以下の細孔)やメソ孔(2~50 nmの細孔)の細孔分布を解析することもできます。

測定対象は、微粒子やマイクロ孔・メソ孔を持つ多孔質材料です。以下では、酸化ケイ素粒子の測定事例を紹介します。

装置外観
図1 装置外観

酸化ケイ素粒子の測定事例

図2(a)は吸着平衡状態のガス相対圧に対してガス吸着量をプロットしたグラフで、吸着等温線と呼ばれています。吸着等温線からマイクロ孔やメソ孔の存在の可能性を判断した上で適切な解析方法を選択します。
図2(b)はBETプロットと呼ばれるグラフです。圧力を変えながら測定した複数のプロット点により、測定の信憑性や解析の妥当性を判断しながら、近似直線の傾きと切片の値から比表面積を求めることができます。この測定事例では、相関係数0.990の近似直線から、比表面積18 m2/g と求まりました。

酸化ケイ素粒子の測定事例
図2 酸化ケイ素粒子の測定事例:
(a)吸着等温線 (b)BETプロット

ご利用を希望される方へ

このページのご紹介内容は、依頼試験でご利用いただけます。

料金

NO. 項目 単位 料金
E4190 比表面積測定(窒素ガス吸着法)(1) (容易なもの) 1試料につき 21,560
E4192 細孔分布解析 1試料につき 3,630
E4191 比表面積測定(窒素ガス吸着法)(2) (複雑なもの) 1試料につき 35,860