2023年5月9日
画像解析およびラマン分光による海辺の砂の粒度分布測定
粒度分布測定でわかること
画像から自動的に粒子の輪郭を抽出して粒度分布を得る「画像解析式粒度分布計」です(図1)。粒子を大量に流通させるフロー式の装置が一般的ですが、当所の装置は光学顕微鏡下で観察する顕微鏡タイプです。装置のハードウェアはラマン分光分析装置で、粒度解析ソフトウェアが搭載されています(よって、通常のラマン分光分析だけを行うこともできます)。フロー式と比べて粒子カウント数が少ないですが、真空分散器によって分散性の良い詳細な観察ができること、および、ラマン分光分析と組み合わせたデータを提供できるのが強みです。
粒度解析の流れ
顕微鏡の視野は狭いので(図2(a))、精密XYステージによる画像合成で視野を広げます(図2(b))。その後、二値化して粒子の輪郭を抽出します(図2(c))。この後は画像解析ソフトウエアが、サイズなどの粒子の形状パラメーターを自動的に計測します。
粉末試料だけでなく、透明樹脂に埋め込まれたフィラー粒子の粒度解析が可能な場合もあります。
ラマン分析と粒度解析を組み合わせた実施例
ラマン分光と組み合わせて、成分ごとに個別粒度解析した例を紹介します。サンプルは花崗岩が風化してできた海辺の砂で(図3 (a) )、ほとんど石英と長石からなることが、ラマン分析から分かりました(図3 (b) )。図3 (c)は、100μm以上の長石だけを抽出した粒度分布ヒストグラムです。
ご利用を希望される方へ
このページのご紹介内容は、依頼試験、委託開発でご利用いただけます。
使用機器
ご利用方法
依頼試験(KISTEC事業名:試験計測)、委託受託(KISTEC事業名:技術開発受託)で利用できます。
今回の画像解析およびラマン分光による海辺の砂の粒度分布測定の事例については、以下のようなお悩み・課題の解決にご活用ください。
・3μm以上の粉体粒度解析
・粉体のラマン分光分析
・埋め込みフィラーの粒度解析