2023年5月30日
切削抵抗測定による材料の被削性評価
切削抵抗測定とは?
材料(主に金属)の削られやすさ(被削性)を評価する方法の一つとして、切削抵抗測定があります。
切削抵抗とは材料を切削する際に工具が受ける力(逆向きには材料が受ける力)のことです。
切削抵抗測定には切削動力計(写真1)を用います。
KISTECでは、マシニングセンタ・フライス盤用、旋盤用、ボール盤用の切削動力計を保有しており、種々の切削形態に応じた切削抵抗測定を実施しています。
エンドミルによる側面切削の切削抵抗
2種類の金属材料に対してスクエアエンドミルによる側面切削を行い、切削抵抗を測定しました。
エンドミルによる切削は切削する時間と切削しない時間を繰り返す断続切削であるため、エンドミルが一回転する間に切削抵抗は大きく変動します。
エンドミル切削用の切削動力計では、X、Y、Z方向の力を計測します。
その合力が切削抵抗となります(図1)。
一つ一つの山が、エンドミルの一回転中に一つの切れ刃が切削するときの切削抵抗を表しています。この山のピークを全て求めて平均値を算出し、この加工中の切削抵抗の代表値とします。図2に、ある金属材料A、Bの加工距離ごとの切削抵抗の変化を示します。
加工初期の切削抵抗はほぼ同等ですが、加工距離が長くなるにつれて切削抵抗に差が開いていきました。
これは、加工が進むにつれて工具摩耗の進行具合に差が生じたためと考えられます。
このデータは、材料Bが材料Aよりも被削性が良いと考える一つの目安となります。
ご利用を希望される方へ
このページのご紹介内容は、依頼試験、委託開発でご利用いただけます。
使用機器
料金
NO. | 項目 | 単位 | 料金 |
---|---|---|---|
E0310 | 切削抵抗測定 | 1項目につき | 12,650 |