金めっき異常部の断面解析事例

川﨑技術支援部
溝の口
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金めっき上に確認された異常部の原因について、FIB-SEMを用いて調査しました。

<試料>
試料:Auめっき/Niめっき/Cu母材
<使用機器>
集束イオンビーム装置(FIB-SEM/EDS)

めっき異常部表面の元素分析(点分析)
図1 左) 異常部のSEM像、右) 異常部のEDS点分析結果

→ 内部を観察するため、FIB断面加工へ

FIB-SEMにより断面を作製

FIB加工により異常部の断面を作製
FIB加工により異常部の断面を作製
めっき異常部断面のSEM観察
図3 めっき異常部断面のSEM像

・付着物ではなく、内部から噴出した腐食生成物?
・金めっきに無数のボイドあり

めっき異常部断面の元素分析(面分析)
めっき異常部断面の元素分析(面分析)
図4 めっき異常部断面のEDS面分析結果

~結果~
・異常部は付着物ではなく、めっき内部から噴出
・Auめっきに無数のボイドが存在
・Au/Ni界面にClを含むNi酸化物が存在

~推定原因~
・Auめっき前の洗浄不足によりClが残留?
・Auめっきのボイドから下地(Ni)へOが供給

 →異常部は腐食生成物がめっき表面に形成したもの