2024年12月10日
ステンレス表面の改質が抗菌作用に与える影響の評価と事業化
株式会社サーフテクノロジー、関西大学、KISTEC化学技術部、研究開発部
細菌やウイルス等により引き起こされる感染症のリスクを減少させるために様々な抗菌剤を塗布したり、練りこんだりして抗菌作用を付与させた抗菌加工製品の開発が進められています。また、近年は形状を加工することで抗菌効果が得られることが明らかとなり、形状加工を利用した抗菌加工品の開発が進められています。
最終年度となる本年はステンレス表面にマイクロディンプル処理(MD処理)を行う事で得られる抗菌作用について、科学的な抗菌作用のエビデンスの取得を試みました。中でも、抗菌作用が活性酸素種によって引き起こされると仮定し、活性酸素種による抗菌作用の確認や活性酸素種の量について検討しました。その結果、細菌液と抗菌加工品を接触させた時間に相関しながら、活性酸素種が増加することを見出しました。さらに、活性酸素種を抑制することにり、抗菌効果が減少することが明らかとなりました。このことから、ステンレス表面をMD処理加工した抗菌加工表面に接触した細菌がストレスを受けることで活性酸素種量が増加し、抗菌効果が発揮されることを明らかとしました。
本研究を通じて、ステンレス表面を加工した抗菌加工製品化が進み、展示会への出展や販売を開始しており、多くの引き合いがきており、感染症リスクを減少することが出来る有用な製品の開発を進めました。