2024年12月10日
極短深紫外ファイバーレーザーによる基板のマイクロ加工装置の研究開発
株式会社クォークテクノロジー、株式会社ファシリティ、KISTEC電子技術部
近年、半導体などの実装技術を進化させることにより、複数の半導体チップを3次元的に積層する3D実装や、高密度基板(インターポーザ)上に半導体チップを水平に複数並べる2.5D実装など、半導体回路を微細化せずに高密度化、高性能化、低コスト化を達成する現実的な方法として、今後主流となることが予想されています。
本研究では、株式会社クォークテクノロジーが開発する紫外線レーザーシステムの研究シーズと、株式会社ファシリティの微細搬送技術を用い、KISTECの表面分析技術を活用して、半導体製造等に用いる極薄インターポーザのマイクロホール加工装置の事業化に取り組んでいます。極短パルス紫外レーザ(<50ps、355nm)の試作を行い、インターポーザ材料として無アルカリガラスを用いて穴あけ加工を行いました。その後、KISTECでの表面分析により加工精度やデブリなどダメージデータを収集しました。従来の紫外レーザーとの比較分析を含めレーザーによる加工の最適化を行い、写真に示すような加工が可能となりました。
本研究開発の成果として、令和4年セミコンジャパンに出展・大手材料メーカへの試験加工・電子デバイス新聞への掲載を行いました。さらに、加工精度の向上と加工速度の高速化の両立可能なレーザー照射の特許を共同出願しました。また、高価な光学素子を使わずに、レーザーダイオードで直接的に光をピッキングさせる新しい手法を提案し、令和3年に論文として発表しています。