2024年12月10日
バインダジェット3Dプリンタを用いたセラミックポーラス体の造形とその焼成
株式会社吉岡精工、株式会社ExOne、KISTEC機械・材料技術部
セラミックポーラス体を利用したポーラスチャックは、半導体製造装置分野で多く採用されるようになり、半導体部品の小型化や軽薄化によりセラミックポーラス体に求められる品質も高度化しております。セラミックスの製造は原料粉末の調整、粉末成形、焼結の工程を経るのが一般的です。特にポーラス体を製造するには、気孔を発生させるための造孔材や有機バインダの添加等が必要となり、それぞれの工程で最適な条件を決定する必要があります。
本研究では、ポーラスチャックを設計・製造・販売している(株)吉岡精工が(株)ExOneの有する三次元積層造形技術(バインダジェット3Dプリンタ)を応用してセラミックスの原料粉末をポーラス体に積層造形し、KISTECが有するセラミックスの製造に関する様々な技術や分析・評価技術を活用することで、ポーラスチャックに使用可能なセラミックポーラス体を開発することを目的としています。
バインダジェット3Dプリンタで積層造形したアルミナ粉末成形体の脱脂・焼結を行い、本製造プロセスが有効であることを確認しました。作製したアルミナポーラス体を用いてポーラスチャックの試作を行い吸着力の測定を行ったところ、従来品と同様の吸着力を有していることが分かりました。この試作品を展示会(SEMICON Japan 2021東京ビッグサイトにて2021/12/15-17開催)に出展しました。今回の取組の結果を利用して、様々なタイプのポーラスチャックを試作していく予定です。