省力化・自動化システムを備えたペロブスカイト太陽電池製造及び評価装置の開発

川﨑技術支援部
溝の口
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桐蔭横浜大学、ペクセル・テクノロジーズ株式会社、アステラテック株式会社、KISTEC川崎技術支援部

 近年、発電性能が高く、薄膜化、フレキシブル化が期待できるペロブスカイト太陽電池(PSC)が注目されています。PSC作製は真空プロセスが不要で、溶液塗布による工程で作製可能であるため多くの企業が参入を検討していますが、現時点では手作業による作製に頼っているため再現性と歩留まりが低く、研究の足枷になっている状態です。

 本研究では、最適作製条件を組み込んだPSC自動製造装置を開発することを目的としています。作製の自動化が実現できれば、経験値に関係なく安定した成膜が可能となり、研究を大幅に加速させることができます。三年目となる本年度は、事業化に向けて見込ユーザーの試用とそのフィードバックにより改良を進めており、そのなかで、スピンコーターを設置するドライボックスの再設計と塗布パラメータの調整により、高効率太陽電池を安定的に作製できることを実証しました。また、研究現場より求められる連続作製においても、溶媒蒸気からの作業者の保護と負担の軽減により、作業効率が大幅に向上することを確認しました。これらの成果を投入して、事業化に向けた最終仕様確定など準備を進めています。

自動スピンコーターで作製したペロブスカイト太陽電池の電流電圧特性とペロブスカイト層の断面SEM画像
自動スピンコーターで作製したペロブスカイト太陽電池の電流電圧特性とペロブスカイト層の断面SEM画像
開発した装置
開発した装置