超高真空製膜装置用脱着式ポータブル走査型電気化学セル顕微鏡の開発

川﨑技術支援部
溝の口
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神奈川大学、バキュームプロダクツ株式会社、金沢大学、KISTEC川崎技術支援部

 Liイオン電池材料やペロブスカイト材料は大気中では急激に劣化する為、作製直後に真空もしくは不活性ガス中での評価が必要となります。本研究では、ナノ領域における電流・電位計測、局所的な充放電マッピング等の評価が可能な走査型電気化学セル顕微鏡(SECCM)とコンビナトリアル試料作製技術を組み合わせることで、試料作製から評価まで一貫して高速で処理できる装置の開発を目的としています。初年度は真空チャンバーに組み込んだSECCMの開発、2年目はSECCMに用いる真空用ステージの設計・製作を行うとともにレーザー堆積装置との接合・受け渡し動作試験を実施しました。

 最終年度である今年度は動作試験の結果を基に装置改良を進め、製品化を目指してきました。加えて、SECCMで計測したサンプルを真空保持のまま装置外に取り出して移送できる真空移送カプセルも開発・作製し、他の計測場所まで真空を保ったまま試料劣化を抑制して輸送することが可能になりました。
 最終的な装置の形態としては、今回試作したプロトタイプを基に、ユーザーの試料受け渡し形状に合わせてトランスファー部分をオーダーメイドして販売するというセミオーダー方式になる予定です。

装置全体図
装置全体図