次世代電磁環境適合性(EMC)試験に適用可能な光伝送システムの開発

電子技術部
海老名
  • 電磁環境・EMC
  • 電気・電子製品
  • #産学公連携事業化促進研究
  • #電磁ノイズ

株式会社多摩川電子、青山学院大学、KISTEC電子技術部

 IoT(モノのインターネット)、ロボット、AI等の技術革新に伴い電子化が急速に進み、第四次産業革命とも言われる状況にあります。これら電気製品の商品化にあたっては、電気的な安全性試験(EMC試験など)がメーカーに課されますが、近年の技術革新によりEMC試験のニーズは多様化しています。
 本研究では、青山学院大学が有する電磁波評価に関する研究シーズとKISTECのEMC試験技術を活用して、新しいEMC試験に対応可能な光ファイバを用いた光伝送システムの事業化に(株)多摩川電子が取り組んでいます。この光伝送システムは、光ファイバで高周波信号を伝送する光ファイバ無線(RoF)技術と駆動電力を光ファイバで伝送する光給電技術を同時に用い、従来の同軸ケーブルを用いた伝送システムと比較して、電気絶縁性と長距離伝送能力が非常に優れた、外来ノイズに強い計測システムを構築することが可能となります。初年度は、電波吸収体・電磁波シールド材などの測定システムを構築し、光伝送システムの有効性を確認できました。2年目は、受信感度とシールド性能を向上させた光給電RoFレシーバヘッドの製品化を行い、共同で記者発表を行いました。最終年度である令和元年度は、実環境を模擬した評価により、同軸ケーブルに対する優位性を検証し、展示会出展、学会発表、検証機貸出など積極的に普及活動を行い、販売に至りました。

光給電RoFレシーバシステム
光給電RoFレシーバシステム
同軸ケーブル(外来ノイズの影響大)
同軸ケーブル
(外来ノイズの影響大)
光給電RoFケーブ(外来ノイズの影響なし)
光給電RoFケーブ
(外来ノイズの影響なし)

外来ノイズ環境下におけるスイッチング電源のノイズ強度分布測定