2024年12月9日
県内農産物の美容機能性評価手法の構築と高機能化粧品への利用
目的
近代化学㈱は地産地消をテーマに神奈川県産農産物の成分を配合した化粧品ブランド「EVERY NATURE DAYS」を設立し、海老名市産のイチゴの果汁や座間市産のひまわりの種子油を配合したヘアケア化粧品を発売している。使用感評価では高評価を得ているが、今後その化粧品の機能性をアピールして とがったプロモーションを展開するために科学的根拠(エビデンス)を取得したい。そこで早稲田大学 原太一教授の「細胞の内在的浄化機構賦活化を評価する」手法を用いて美容エビデンスを取得できる可能性を検証したい。
可能性評価の具体的な実施内容と結果
早稲田大学において各抽出液の機能性評価を行ったところ、オートファジーを誘導する活性が見出だされた。オートファジーは肌の再生や育毛に寄与することが明らかになっているシステムであり、オートファジーを誘導する抽出画分には皮膚細胞のバリア機能を高める効果や育毛補助効果が確認されている。また、オートファジー誘導活性とは別に、育毛補助効果のみを示す抽出画分も見出した。
評価
海老名市産イチゴの果汁の美容エビデンスを取得することができた。今後は この果汁を配合したヘアケア化粧品を特色あるブランドとして差別化することに活用する。また有効成分を特定し、より高機能な化粧品の製品開発に展開したい。
内在的浄化機構賦活化の評価手法を他の農林水産物にも適用し、新たな機能性素材を見出していきたい。