2024年12月9日
レーザーリフトオフによる高分子材料の剥離可能性評価
目的
素子の小型化やフレキシブル化の為にはガラス基板や結晶基板から素子を剥離させる技術として、レーザーリフトオフ(LLO)が注目されている。基板上に塗られた高分子材料接着剤をレーザーにより変質させ素子を剥離する方法である。主に赤外線が用いられる手法であるが、省エネルギー化の可能性について検討するため、紫外線照射による剥離評価を行った。
可能性評価の具体的な実施内容と結果
従来の赤外線を用いる場合は、赤外線を吸収するために接着層は剥離層と接着層の2層構造になっている。この工程の省エネルギー化のため紫外線によるレーザーリフトオフによる剥離を検討した。そのプロセスとして剥離層を省いた接着層のみの1層構造への紫外線照射を検討した。照射条件として、レーザーパワー、スキャン速度、ピッチ、ビーム半径などの最適化を行ったところ、ビーム径120~130μm、エネルギー密度300mJ/cm2以上の条件では、紫外線レーザー照射により、ガラスと基板との剥離が確認できた。従来の赤外線に代わり紫外線による効率的なレーザーリフトオフ装置開発のための基礎データが取得
評価
フレキシブル基板の剥離において、紫外線レーザーの照射条件の最適化により、接着層がアブレーションされ剥離が可能となることが本評価により明らかになった。更に接着層の選択によりプロセスの高速化が期待される。