遠隔操作における遠隔環境の情報提示手法に関する研究

情報・生産技術部
海老名
  • 電気計測・試験
  • その他
  • #ロボット
  • #技術開発可能性評価支援

目的

 現状では遠隔位置から操作者が建設機械を直接視認して遠隔操作しているが、より安全性・確実性を高めるために、建設機械に取り付けたカメラの映像を用いて遠隔操作を行うニーズが高まっている。しかし、映像のみによる遠隔操作の場合、作業性が損なわれる。そこで、映像を用いた建設機械の遠隔操作の作業性を向上させるシステムを考案・構築したので、性能を評価する。

可能性評価の具体的な実施内容と結果

 油圧ショベルにコーワテック(株)の遠隔操作ロボットSAMを用い、図1に示す提案システムを構築した。本システムの最大の特徴は、遠隔位置から油圧ショベルを視認するカメラ(環境カメラ)からの映像を用いないでも遠隔操作が可能な点である。

遠隔操作の提案システム

 評価としてアーム先端のブレーカが、ターゲットに対して①効率よく、②精度良く、接触できるかを検討した。評価指標として、①にはタスクにかかった時間を用い、②にはタスクにおいて発生した位置合わせに関する失敗の回数を用いた。また、提案システムを環境カメラからの映像を用いた従来システムと比較した。

 その結果、本来、環境カメラを用いないで遠隔操作することは困難であるところ、本提案システムによりこれを可能にできた。その性能を従来システムと比較したところ、①効率の低下を抑制しながらも、②精度を有意に向上させることができた。

 改善点として、遠隔操作の作業者に、よりわかりやすいインタフェースが望まれる。

評価

 実用性が十分確認できた。製品化にあたっては、ユーザーインタフェースのわかりやすさの向上が望まれる。