2024年12月9日
酒米のタンパク質含有率推定システムの開発
泉橋酒造株式会社、千葉大学、KISTEC化学技術部
様々な産業において、ロボット・IoTを活用して生産性を高めることで競争力を向上することが求められています。農業や醸造の分野においても人手不足や事業継承の課題が指摘されており、ロボット・IoTの導入による農作業の負担の軽減、デジタル化の推進、データ解析による経験依存の解消を実現することが、課題解決に有効とされています。
清酒造りにおいて、酒米に含まれるタンパク質はうま味などのもととなりますが、多すぎると雑味と感じてしまいます。酒米のタンパク質含有率は葉色など生育状況データと相関がありますが、広い圃場の生育状況をすべて見て回ることは難しいのが現状です。
本研究ではドローンと画像解析技術を活用し、酒米の圃場の生育状況データの取得に取り組んでいます。従事者の作業量を大幅に低減できるとともに生育状況データの量・質を改善し、清酒造りに適した酒米を収穫できると期待しています。
泉橋酒造(株)の圃場において酒米を栽培し、千葉大学とKISTECが圃場のドローン撮影と画像解析、酒米の成分分析を行いました。泉橋酒造(株)において、タンパク質含有率が大きく異なる酒米を原料として、それぞれ清酒を醸造し、味わいが異なることを確認しました。それらの清酒の試験販売を行い、好評を得ています。