社会実装を目指すマイクロ流体デバイス
~プラットフォームテクノロジーとしての超微量分析ツール~
令和5年度の募集は終了いたしました
日時
令和6年3月5日(火)10:30~17:00
受講料
26,000円(税込)
定員
20名(先着順にて承ります。)
会場
1日目(3月18日)のみ、オンライン参加も可能
かながわサイエンスパーク内講義室(川崎市高津区坂戸3-2-1)
Map・アクセス詳細はこちら
- JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車 シャトルバス 5 分
- JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分 「高津中学校入口」下車徒歩3分 東急バスのアクセスはこちら
※感染症対策を実施の上で開催いたします。 感染症対策の詳細はこちら
対象者(このような方にお勧めします)
≫企業、研究機関に所属し、以下の技術や事業の開発に携わる方。
- マイクロフルイディクスを取り入れた超微量分析技術の実用化、産業応用を目指す方
- コンパクトでクリーンな化学分析・化学合成のプロセス開発に携わる方
- 超小型センサーやバイオチップなどの開発に携わる方
- 創薬スクリーニング、細胞医療研究などにμ – T A S 技術を活かしたいとお考えの方
- エレクトロニクスデバイスの設計、開発、製造、実装などに携わる方
- 検査・化学分析等の業務に携わる方
- 紙、繊維、ポリマーなどを使った新素材開発やセンサー等の用途開発に携わる方
カリキュラム
10:30~12:00
マイクロ流体デバイスシステムの社会実装を進めるために
~高性能プラットフォーム技術の「つなぎ方」
マイクロ流体デバイスの「社会実装」が進められています。実験条件の精密制御、微量試料の精密ハンドリング、ハイスループット解析能など、マイクロ流体デバイスの特徴を生かすことが重要です。また、マイクロ流体デバイスの「前後」のプロセスまでを含むシステム化が必須です。そのためには「前後」のインターフェースの開発や他分野の技術連携も求められます。本講義ではまず、マイクロ流体デバイスの開発の潮流を、海外の動向も含めて解説します。さらに、今後社会実装を進める上で検討が必要なポイント、異分野との連携から生まれた産業応用事例(ワクチン&核酸医療薬品製造、スマート農業など)、マイクロ流体デバイスの新たな導入が期待される領域をお話しします。
13:00~14:30
マイクロ流体デバイスが拓く細胞外小胞の包括解析とリキッドバイオプシーへの展開
リキッドバイオプシー(液体生検) と呼ばれる検査法は、血液や尿、唾液などの体液の採取・検査のみで腫瘍・疾病の検出や追跡ができると期待されている手法です。リキッドバイオプシーは、組織生検と比較してきわめて低侵襲に検体を採取して解析ができること、長期追跡にかかせない繰り返し・頻回検査が容易に実施可能であること、などの利点があります。リキッドバイオプシーの解析対象の生体物質として、循環腫瘍細胞、タンパク質、循環DNA ・メッセンジャーRNA ・マイクロRNA などの核酸がこれまでに注目されており、近年、細胞外小胞・エクソソームが加わりました。マイクロ流体デバイスは任意の液体を任意の場所へ送り届けることができ、リキッドバイオプシーの解析対象の生体物質のハンドリングに大きな貢献をしています。本講座では、マイクロ流体デバイスを使った細胞外小胞の解析とリキッドバイオプシーへの展開についてお話しします。
14:50~16:20
ナノポアによる1細菌・1ウイルス検出
~情報通信インフラとしてのスマートフォン+マイクロ流体デバイスで迅速化する公衆衛生管理
「移動の自由」が叶えられ、人々の行動範囲が拡大するとともに、現代社会では病原体もまた急速に拡散し、感染症を広げていきます。世界中の至るところで細菌・ウイルスを検出し、その情報を共有する方法が確立されれば、感染症を初期段階で封じ込め、パンデミックの阻止に役立ちます。情報社会における「世界共通のインフラ」ともいえるスマートフォンに、電気デバイスとマイクロ流体デバイスの機能を組み合わせて搭載し、1 個単位で細菌やウイルスを検出・識別する新たな手法の開発状況について解説します。理化学機器として製品化したAIナノポアシステムを用いたナノ粒子計測と、AIによるナノ粒子識別を体験して頂きます。高精度に検出・識別可能なこのデバイスシステムから取得したデータをAI を用いて解析し、感染予防に役立てるなど、情報ベースの社会実装に向けた展望などをお話しします。
16:30~17:00
質疑応答・ディスカッション
本講座のねらい
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生し、検査技術や創薬開発には多くの関心が寄せられています。たとえばワクチンや治療薬などの創薬開発はもとより、公衆衛生管理などにも新しいアプローチを投入し、簡便にしかも精度の高いデータを取得し、問題解決への迅速な対応につなげることが求められています。マイクロ流体デバイスは、これらの要求に答えうるポテンシャルを有しています。マクロスケールのワクチン・核酸医薬品の生産プロセス、社会インフラ、公衆衛生、スマート農業に、このマイクロ流体デバイスの技術を組み込み、データサイエンスをはじめとした技術領域と融合させながら「一連のシステム」として機能させると、どのようなことが可能になるでしょうか?
本講座では、マイクロ流体デバイスの開発動向と社会実装の進展状況を概説し、注目の開発事例について化学分析、創薬、疫学調査、ヘルスケアの分野から詳説します。デバイスの「前」「後」に置かれる技術との「つなぎ目」にも注目し、プラットフォームテクノロジーとしてのマイクロ流体デバイスを「拡張」し、社会実装されつつあるマイクロ流体デバイスシステムおよびその関連技術について紹介します。
主催
(地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
後援・協賛
川崎商工会議所 (株)ケイエスピー (ほか申請中)
お問い合わせ
人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL:044-819-2033
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