次世代ライフサイエンス技術開発プロジェクト

国際評価技術サービス提供事業

活動概要

 KISTECでは評価方法の確立や性能評価サービスの提供を目標として、光触媒グループ(抗菌・抗ウイルス研究グループ)及び食品機能性評価グループがそれぞれ活動してきましたが、2021年度より2つのグループを統合し、新たに「次世代ライフサイエンス技術開発」プロジェクトとしてそれぞれの強みを融合させながら新しい評価方法の研究開発と提供に向けて取り組みを続けています。
 一方、近年ますます複雑化するライフサイエンス系の研究開発に対する適切な評価方法の開発が非常に重要な課題となっています。特に、再生・細胞医療といった先進分野においては、その品質や性質を適切に評価することは大きな課題とされています。
 そこで、本プロジェクトでは従来の抗菌・抗ウイルス性能評価や食品機能性評価に加え、新たに再生・細胞医療における新しい評価方法の開発と提供に向けた取り組みも開始しています。

各種分野詳細

抗菌・抗ウイルス性能評価

抗菌・抗ウイルス性能評価風景

 抗菌性能評価や抗ウイルス性能評価については、これまでに様々なJIS規格が制定されており、各種製品ではこれらを基本とした抗菌・抗ウイルス性能評価試験が行われています。一方、これらの試験方法は菌やバクテリオファージを試験液として製品上に接種するため、特に浴室やキッチン、トイレなどの水分が多量に存在する個所以外での使用を考慮した場合に実際の環境とは大きく評価環境が異なると考えられます。更に、環境中には抗菌・抗ウイルス性能を阻害する様々な物質(埃、皮脂等)も存在しています。そのため、実際の使用環境を考慮した試験方法の開発が望まれています。本分野では、新しい試験菌液の調整や試験方法の開発を確立し、使用環境を考慮した試験方法へ結び付けるための検討を行っております。
 また、これまでに抗菌・抗ウイルス性能評価について多くの検討を行ってきた知見をもとに、より高い抗菌・抗ウイルス性能を持つ素材の開発や新しい試験方法の開発などの共同研究を行っております。共同研究開発にご興味をお持ちの方は是非ご連絡ください。

食品機能性評価・分析

食品機能性評価・分析風景

 食は健康な生体を築き上げ、それを維持する上で限りなく重要であり、適正な食生活はquality of life(QOL)の向上に寄与し、生活習慣病を防ぎ健康寿命を延ばす手段としても高い関心が寄せられています。我が国では間もなく65歳以上の高齢者が人口の30%に達すると予想されており、健康を保ち加齢に伴う生活習慣病の発症を遅らせる機能性食品の開発が注目されています。機能性食品の開発には、効果・効能の評価解析による幅広い科学的エビデンスを実証することが求められていますが、従来の機能性食品の効果・効能の解析は一面的現象に偏りがちでした。しかし、トランスクリプトーム解析を活用し、遺伝子レベルで予知する科学技術「ニュートリゲノミクス」は、食品の総合的な作用・機能を網羅的に解析することを可能にしました。
 本分野では、ニュートリゲノミクスを含めたオミクス技術により神奈川県内に多い食品企業の機能性食品の開発に資することを強く意識して、県内食品企業・産業を活性化させると共に、科学的エビデンスに基づく機能性食品を開発するための公的な第三者評価機関を世界に先駆けて構築することを目標としています。

nutrition(栄養)とgenomics(遺伝子科学)の合成語で、食品などの摂取に伴って起こる生体の変化を分子レベルで網羅的に解析する科学です。

各種評価サービスについてのお問合せ・お申込み

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